【INTERVIEW】ステファノ・ドメニカリCEOに訊く「ランボルギーニ」の未来像。

Stefano Domenicali

ステファノ・ドメニカリ

Chairman & CEO
Automobili Lamborghini S.p.A.

年々日本でも人気が高まるランボルギーニ。

イタリアのヴァレルンガ・サーキットで開催されていた、ランボルギーニ・スーパー・トロフェオ・ワールド・ファイナルが無事に終了したことを見届けると、ランボルギーニ社CEOのステファノ・ドメニカリ氏は、今回は横浜が舞台となる「ランボルギーニ・デイ・2018」に出席するために機上の人となった。

昨2017年は、日本にランボルギーニが輸入されて50周年という年にあたり、それを記念してそれぞれに異なる仕様で、5台のみが製作されたジャパン・スペシャルのフユー・オフモデルの披露や、コンクール・デレガンスなどが東京で行われたが、これだけの規模で2年連続でのイベント開催は、ランボルギーニが日本市場をいかに重要視しているかの証明でもある。そしてイベント・プログラム中のタイトなスケジュールの中、ドメニカリCEOへのインタビューが実現した。

日本人に好まれるのは「美」の価値観の一致。

——2018年もランボルギーニは、日本でとても大きな、そしてさまざまなプログラムが楽しめるオフィシャル・イベントを開催してくれました。イタリアと日本とではカルチャーやテイストなどの違いがあると思いますが、なぜ日本のカスタマーはランボルギーニというブランドを好み、魅了されていると思いますか?」

「日本のカスタマーは、イタリアの製品を常に高く評価してくださいます。ランボルギーニもちろんメイド・イン・イタリアでありますから、美しいものを好むという自分のパーソナリティをアピールすることを好むという点では、ほかのイタリア製品に共通していると思います。さらにランボルギーニの製品は、世界の最先端にある技術を結集させただけではく、それをデザインによって見せていることにも特長があります。カスタマーにはそれを特に高く評価していただいているのではないでしょうか」

カスタマーの意見は反映させていく。

——ランボルギーニが日本に初上陸して昨年で50周年、すでに半世紀が経ちましたが。

「51年目を迎えても我々にとって日本が非常に重要なマーケットであることに変わりはありません。それはセールスの結果だけではなく、たとえばこれからスーパースポーツカーなどのトレンドがどのように変化していくのかを我々が知るのに大切なマーケットという意味でもあるのです。日本のディーラーネットワークと連携しながら、ランボルギーニは常にその情報を集めています。それをデザインやエンジニアリングに反映させていくのです」

スーパーSUV「ウルス」の好調は予想通り。

——昨年、第3のモデルとなるスーパーSUVのウルスが発表され、その生産がフルイヤーで行われる2019年には、ランボルギーニの年間販売台数は2017年から倍増の1万4000台レベルに達すると予想されました。実際のウルスのセールスは予想したとおりでしょうか。

「答えはイエスということになるでしょう。おかげさまでウルスのセールスは非常に順調です。いえ、事前の予想を上回るペースでの受注状況にあるといってもよいでしょう。今回のウルスの成功を受けて、我々にとって最も大きな自信となったのは、ランボルギーニのDNAを失うことなく、新しいスタイルのモデル、あるいはキャラクターを作ることが可能であることを確信できました。現在、ウルスをオーダーしていただいているカスタマーの約70%は、これまでランボルギーニを購入したことのない方々です。この新規のカスタマーが今度は我々のコア・プロダクトであるスーパースポーツに興味を持っていただければベストだと考えています。ウルスは確かに大きなセールス・ボリュームを実現するモデルですが、ランボルギーニというブランドにとってファースト・プライオリティは、あくまでもスーパースポーツにあるのですから」

他のメーカーがやっていないことを推し進めたい。

——スーパー・トロフェオ・ワールド・ファイナルの開催期間中には、スクアドラ・コルセによる初のワンオフモデル、SC18 アルストンに加えて、ウルスをベースとしたST-Xコンセプトもサプライズでティーザーデビューし、ヴァレルンガでは大きな話題でした。このコンセプトカーは、これからどのように進化していくのでしょうか。

「とにかく、ほかのメーカーがまだやっていないことを我々が最初にやってみようと思ったのです。ランボルギーニはすでに多くのレースで成功を収めていますし、現在世界の自動車市場で最も人気があるのはSUV。ならばSUVをベースとしたツーリングカーレースが最も注目されるのではないかと。レギュレーションやチャンピオンシップ、車両開発、コースの選択など、そのレースに関するすべてはランボルギーニでオーガナイズします。実際にシリーズをスタートさせるのは2020年。ウルスはもちろん、サーキットでかなりのパフォーマンスを発揮するのでしょうが、もしかすると何らかの方法で、オフロードを組み合わせるのも面白いかもしれないですね」

次期「アヴェンタドール」はハイブリッド化を決定。

——ロードカーの世界では、自然吸気12気筒の将来とEV化へのプロセスがランボルギーニでも話題になるようになってきました。

「コンセプトカーのテルツォ・ミレニオ、すなわち第3世紀とネーミングしたモデルにも証明されているように、我々も将来的にはフルEVの時代が到来することは間違いのないと考えています。ハイブリッドはその過渡期に誕生し、そしてフルEVへの橋渡し役となる技術と考えるべきでしょう。すでに次世代のアヴェンタドールについては、V型12気筒エンジンとハイブリットシステムを搭載することを決定しています。我々ランボルギーニにとっての大きな財産は、やはりこれまでの半世紀以上にわたる伝統と革新的な技術。このふたつを我々が確かに繋いでいくことでランボルギーニ車の価値は、これからも高まっていくのです」

INTERVIEWER/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

(GENROQ Web編集部)